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PASTE
肉屋に行くと、ミンチの機械がある。 機械なんていうほどの大した物じゃなくて、かなりの力技で肉を切り刻んで押し出す。 あれは結構興奮する光景だ。 途端に生々しさを感じる。 何かの生き物の肉体であるのに、それを意識していない日常。 何か一つのぽっと出た物体のように、食品としてしか認識していない。 ミンチの機械から出てくるそれは、生々しくてエロチックで、 俺たちに肉体を意識させる。 肉をミンチの機械に押し込めるように、口の中に肉体を入れる。 ぐちぐちと口の中をかきまわす。 口の中は生暖かかくてねっとりする。 口腔 大石は知ってる。 俺がどうすれば欲情するか、俺の理性のタガを外すにはどうすればいいか。 ずるい男だと思う。 いつでも仕方がないな、という顔をして俺に応じるけれど、 誘っているのは実のところ彼なのだ。 俺はいつでも彼の罠にはめられて、上にのしかかる。 大石は被害者のような顔をしているけれど、彼が俺を強姦しているのに近い。 彼に言わせれば、俺は、欲しい時にちゃんと勃つバイブレーターなのだろう。 それでもいいか、と思うこともある。 というよりは、いつでも俺はそれでもいいと思ってしまう。 「シュークリーム食いたかったから買ってきた。食べよ?」 「ああ、じゃあちょっと待ってて。折角だからお茶入れてくる」 大石の部屋に遊びに行く時には、大体コンビニの袋を下げていく。 俺の家は自分専用のテレビがなく、見たいものがあっても 家内ヒエラルキーの最底辺に属している俺にはチャンネル権がない。 だから時々大石に録画しておいてもらうのだ。 そして彼の部屋で一緒に見る。 「紅茶?コーヒー?」 「もちろん紅茶」 「いつも通りでいい?」 「うん」 いつも通りというのは、薄めの紅茶に少しだけ砂糖を入れて、ミルクを沢山、 という、殆ど紅茶と呼べないような代物だけれど、 俺は濃い紅茶が飲めないのだから仕方がない。 ましてやコーヒーとなると、あんなものは人の飲むものではないと思っている。 大石は軽く肯くと部屋から出ていった。 とんとんと階段を降りる音がして、俺は手持ち無沙汰に大石のベッドに腰掛けた。 ここで何度も身体を重ねてきた。 ころんと寝転がってみる。 天井は真っ白で染みひとつなく、大石はいつもこの天井を見ているんだな、と何となく思う。 頭の後ろの枕の端をぎゅっと後ろ手に掴んでみる。 こんな格好で。 とんとんと階段をゆっくり上ってくる足音で、俺は我に返って、身体を起こす。 両手がふさがっているだろう彼の為にドアを開ける。 「ありがとう」 トレイの上にカップとお皿、フォークを載せて部屋に入ってくる。 必ずそうなのだけれど、躾の問題か、彼は決して袋からそのまま食べ物を口にしない。 どんなジャンクフードでも一度皿に乗せてから口に運ぶ。 外にいる時には仕方がないけれど、家の中ではね、と。 ぱり、とシュークリームの袋を開けて、金の細いラインが周りに2本走っている 白い皿に乗せて、フォークを添えてこちらに渡す。 「紅茶はここに置くぞ」 当然ソーサーに乗っている、揃いのティーカップを俺の目の前にことんと置く。 自分のも同じようにして、こちらはコーヒーを横に置く。 彼はコーヒーが好きで、ミルクを少し落とした物をよく飲んでいる。 だから彼の口はコーヒーの香りがする。 少し香ばしい。 「手掴みで食べるほうがおいしくない?」 「それは同感」 「このフォークは何」 「一応、形だけでも」 「頂きます」 と彼は軽く俺に会釈をしてから、皿の上のこんもり膨らんだ物体に手を伸ばす。 そのものの皿の上に乗っていた時間、わずか2分足らず。 意味があるのか誠に疑わしい。 ぱくん、とピンク色の唇がシュー皮に食いつく。 俺は彼がものを食べているのを眺めるのが好きだ。 特に食べにくいものを食べさせたいと思う。 こともなげに下品に食べて欲しい。 シュー皮を引き延ばしながら口を離す彼の唇に、カスタードが少しついている。 彼はそれを舌で舐め取らない。 指の腹でちょいっと拭って、その指先を唇に咥える。 それも、指を口に差し込むのではなく、クリームのついた腹の部分を唇に咥えて軽くねぶる。 その仕草が誘っているとしか思えない。 「置いて、それ」 彼の目の前に置かれた白い皿を目の前に突き出す。 食べかけのシュークリームをそこに置いて、彼は「またか」という顔をしてみせる。 この前はマックだった。 ハンバーグにぱくついた彼が、口を離した時に、ピクルスが噛み切れなかったのか、 唇からそれをぷらんと垂れさせていたのだ。 ただそれだけで欲情できるなんて羨ましいよ、と彼はバカにしたように笑うけれど。 俺が思うには、彼は敢えてそれをしているのだ。 俺がそれで興奮するのを知っている。 大体歯並びがこれだけいいのに、噛み切れないこと自体がおかしい。 俺は彼をトイレで後ろから犯しながら、腕を前にまわして彼の歯を指でずっとなぞっていた。 まっすぐに整列した歯のてっぺんを指でなぞった。 細い糸ですら噛みきれそうなほどのまっすぐな白い歯。 彼は知っているのだ。 「全部食べてからじゃ駄目か」 「ダメ。今すぐ」 「そもそも英二が見たいって言って録画したビデオは」 「後で見る」 殊更に、少し下品に食べて欲しい。 少しだけ行儀悪く。 その前はカレーパンだったように思う。 誰だったか、大量に部室に持ち込んだのだ。 裏門前のパン屋のおばちゃんに差し入れに貰ったとかで。 さくさくした衣を歯で裂いた瞬間、彼の唇の片端からカレーペーストがにゅっと覗いた。 ただそれだけの話だ。 「ちょっと」 俺はいつでもこればっかりだ。 手を引いて、片手に食べかけのカレーパンを持ったままの彼を連れて部室を出た。 「ちょっと、って。おい、まだ食べ終わってない…」 「いいから歩きながら食っちゃえよ」 俺は彼の手を強く握ってぐいぐいひっぱって歩いた。 「歩きながらじゃ呑み込めないよ」 「まったくお上品だよ、お前って」 体育倉庫の中で、彼の前でお預けくった犬のように座って、 彼が残りのパンをもくもくと食べるのを眺めていた。 「ジロジロ見るなよ」 「早く食っちゃってよ」 最後の一切れをぱくん、と口に放り込むのを見て、マットに押し倒した。 大体彼は食べるのが遅い。 もくもくよく噛む。 「んん!」 まだ口の中にパンの残っている彼は抗議のうめき声をあげる。 汚いという人もいるのかも知れないけれど、彼の口の中で噛み砕かれて 唾液と混じったものが好きだ。 「それ頂戴よ」 「んん、やだ」 「頂戴って」 固く口を閉ざして、抵抗する彼の腹の上に乗る。 可哀相かなってちょっとは思うけど、でも俺はもう自分を止められない。 「んーっ、ん!!んん!」 抗議の声をよそに、口をこじ開けて指をかろうじて中に押し込める。 この指を噛み切ることは、大石秀一郎には出来ないのを知ってて弱みにつけこんでいる。 いや、果たしてそうではない。 彼は俺が指を入れられるように、そもそも顎の力を少し抜いているのだ。 どろどろになったカレーパン。 少しまだ形状が残っている部分もある。 これはパンの端切れ。 ここはもうパンがどろどろになってカレーペーストといっしょくたになっている。 「ん!んんん!」 嫌がって舌で俺の指を押し戻そうとするけれど、俺は尚も指をもう一本、 そのわずかな隙間から入れる。 人差し指と、中指と。 中でかき回す。ペースト。 「キモチイーよ、大石」 俺はがちがちに勃起しているペニスを彼の腹に押し付ける。 「すげーキモチイー。ほら、ね?」 このヘンタイ、って顔で、俺を涙目で見る大石の顔も好きだ。 軽蔑されて、蔑まれている風で、俺は実際には彼に誘われている。 だってほら、大石、お前だって勃起してる。 息を荒げながら、俺は身体をずらせる。 勃起したペニス同士が重なり合うように。 ジャージ生地を引き延ばして、勃起したいだけしているペニス同士を擦りあわせる。 軽い抵抗の後に、亀頭同士が引き合って、ぷる、と離れる。 そのささやかな衝撃、ささやかな振動。 俺はパンツの中が濡れてくるのを感じる。 きっと大石も。 緩やかに何度も腰を横に往復させていると、大石も軽く腰を浮きあがらせる。 そして腰をかすかにふる。 困ったような顔で、眉間に軽く皺をよせてはいるけれど。 我慢がきかないのはお互い様。 「んん…、ん…」 抵抗のうめき声も、甘い響きをおびてくる。 目がうっとりとして、少し小鼻が広がる。 その時には、俺は大石の口の中に指を突っ込んだまま、そしてジャージを二人とも 着たまま、身体を擦りあわせてペニスを互いのペニスで嬲り、射精した。 「ん!んんんん!!」 口の中のペーストはいつの間にか喉の奥へと流れこんでいて、口の中には何もなくなっていた。 大石は俺の二本の指を、フェラチオするようにしゃぶり、舌を絡めて達した。 ぺちょぺちょと音をさせて。 二本の指を舌の上に乗せてしごいたり、指の間に舌を入れてその裏側で股を愛撫したり。 俺は、その指をしゃぶっている大石の口を横から舐めた。 俺の指と大石の唇との接合部を舐めながら射精した。 荒い息で射精の余韻から冷めると、大石は俺を睨んだ。 「どうしてくれるんだよ…下着が大変なことになったじゃないか」 「でも気持ちよかったっしょ?」 どっちみち喜んでるんだから、まぁいいかって思う。 「シュークリームは冷たいうちに食べた方が美味いと思う」 大石はかなり不満そうだ。 「せめて冷蔵庫に一度しまってきたい」 「すぐ終わるって」 大石の唇に、縦筋に沿ってうっすら残ったクリームをべろっと舐める。 甘くて、ねっとりとして、誘っているような味。 「おいしいね、大石」 「俺じゃなくてクリームがだろう?」 「ううん、大石が」 ベッドに横たわった大石にのしかかる。 俺たちのセックスはいつでも性急だ。 大石は愛撫なんて必要としていない。 ただ、キスの繰り返し。 大石の口の中に舌を差し込んで、こね回す。 それだけで充分。 大石はそれだけで興奮して、頬を赤らめて、誘うように俺を見る。 ぷちゅっと唇を離すと、すがるように舌が追いかけてくる。 その仕草も、俺の情欲をかきたてる。 「もう入れちゃおっか?」 「ローション、そこにある」 欲しいなんて絶対に言わない。 ずるいね、大石。 俺はローションを自分のペニスにも、大石のアナルにもたっぷりつける。 痛くないようにとの配慮ではない。 ぬめぬめした方が気持ちいいからだ。 亀頭が入るまでの軽い抵抗のあとに、一気に奥までペニスが滑り込むのが大石は好きだから、 よく滑るようにたっぷり塗る。 「大石、入っちゃうよ?」 大石の膝の裏側に手をあてて、腰を持ち上げる。 ペニスの先端をアナルにあてがうと、少し肯く。 ちょっとの抵抗の後で、大石がふうっと大きく息をつくと、ペニスがアナルに呑込まれていく。 くちゃっという音をたてて。 大石は悦ぶ。 肩を震わせて、俺の腕にすがる。 「あ・・・あ・・・は・・・」 軽く大石の身体を揺さぶっていると、大石が少しずつ、少しずつ高まっていく。 頬が紅潮して、目が潤んでくるのでそれと分かる緩やかな上昇。 「ん・・・あ・・・え、じ」 「大石、キモチイイ?もっと声だしていいよ」 苦しそうに眉をひそめて俺の胸に拳をあてる。 俺は分かってる。 もっと激しく突き上げて欲しいときの仕草だ。 そして、大石もそれを俺が分かっていることを知っている。 俺たちのセックスはいつでも予定調和に満ちている。 俺は持ち上げた彼の膝が大石の胸につくほどに捻じ曲げて、彼と俺との結合部を上方に向ける。 大石の固い臀部に体重を乗せて、のしかかり、奥へと侵入を始める。 ぐちぐちと肉を押し分けて、俺のペニスが大石のアナルに呑み込まれていく。 ミンチの機械に肉を押し込めるように。 「う・・・んあ・・・あああ・・・・」 大きく口をあけてのけぞる。 上あごの裏が俺から丸見えになる。 真っ赤でぬめった口腔。 淫らで、自分も肉を求めてぽっかりと開いた機械口。 肉を求めて。 誘われるように、俺はその中に指を入れる。 口の中はカラカラに乾いていて、俺の指の皮膚は彼の口の粘膜にはりついて、 吸い付いて、それが愛撫となって、俺のアナルからペニスへと走る電流となる。 「っ・・・おおいし・・・」 俺は夢中で腰を振っているけれど、実際、大石の口の中をまさぐることで快楽を得ている。 大石の口の中のすみずみまで指でこねまわす。 そうしているうちに大石の唾液が溢れ出す。 唾液というよりは、涎だ。 俺の指は、彼の本当に欲しいものを想起させているから。 ちゅ、ちゅ、くちゅ、ちゅ、と最初のうちこそ優しい音をたてているけれど、 次第に激しい音へと変わる。 指も1本から2本、そして3本と増えていき、俺は殆ど手をそのまま大石の口の中に 無理矢理ねじ込む。 「んー!ん!んんん!」 大石は苦しそうに眉をひそめるけれど、俺は指を口の中で容赦なく指をばらばらに 動かして、彼の粘液を掬い取っては指に絡める。 奥にぐいぐいと突っ込むと、とりわけ苦しそうな顔をするけれど、アナルが俄然締まる。 「んふ・・・ん・・・ん」 甘い声を出して鼻を鳴らす。 目がうつろになってくる。 「んふ、ん、ふうん・・・ん・・・ん、んんんん」 快楽の絶頂が近いのか、大石の口の中がきつく締まってくる。 俺の手を軽く甘噛みし始める。 噛み砕いて欲しい。 下品に噛み砕いて、口の中でグチャグチャに噛み砕いて、歯の間からにゅるにゅると はみ出させて、唇からたらして欲しい。 いや、でもそれは指ではないのだ。 彼が欲しくてたまらないのは指ではない。 骨のない肉の塊。 俺の肉棒。 「んん!んんん!んふん!!ん!」 口の中が締まる。 大石は歯型が残るほど俺の手を噛み締める。 「んん!むーっ、む、む、んんん!!」 「おいで、大石、いいでしょ、きもちいいでしょ。ほら、ほら、ああ、締まる」 片手は大石の尻を持ち上げて、もう片方は大石の口に入っているので、 大石のいきりたったペニスを触ってやることが出来ない。 だから、身体を重ねて、腹で先端をこすりあげる。 口の中をまさぐって、ペニスで突き上げて、大石の欲しい物は全部、全部。 だけどもう一つ大事なものが足りないね、大石? 分かってるよ。 お前がイったら、俺はちゃんとそれをあげるから。 だからおいで。 ほら、大石。 口いっぱいに俺の手を頬張って、潤んだ目で俺を見つめる。 枕の両端を掴んで、のけぞって。 「んーっ、ん、んんん、んん!ん!ん!んんっ!!!」 大石はビクビクと痙攣して、悲鳴に近い声をあげた。 アナルがぎりぎりと締まって、その瞬間、俺の腹に熱いものがかかった。 大石が達したのを見て、俺はアナルに突っ込んでいたローションまみれのペニスをぐっと引き抜く。 口の中でべとべとになった手も。 「あ・・・あは・・・」 大石はちょっと身を捩って悶える。 彼は二人とも射精したあとも、萎えたペニスをアナルにくわえ込んでおくのが好きなのだ。 そしてゆっくりと動かすのが好きだ。 言わないけれど俺は知っている。 そういう時にたまらない恍惚の表情を浮かべるから。 後戯が必要なのだ。 高まりすぎた鼓動を鎮める為に。 枕にうずまった顔をまたいで、髪を掴んで仰け反らせる。 「口開けてよ」 恍惚の表情のまま、大石はゆっくりと口を開ける。 口腔の中は粘りっけのある唾液が糸をひいている。 その糸を断ちきるように、俺はベトベトのペニスを差し込む。 射精したくてギチギチになった俺のペニスが、大石の口の中を満たす。 「う・・・・ふ・・・」 大石は自分のアナルに入っていたペニスを嫌な顔一つせずに貪る。 これが大石秀一郎なのだ。 淫らで、卑しい男。 俺は大石の耳を取っ手のようにして両手で掴んで腰を動かす。 「大石はこれが好きデショ?」 乱暴に口の中に出し入れする。 限界が近い。 口の中に出すために、俺は先刻のアナルの締め付けを耐えたのだ。 もういっぱいいっぱいだ。 「ふう・・・ん・・・んん、んんん!!」 大石は苦しそうに悶えるけれど、俺は見なくても知っている。 大石の腰がなまめかしく蠢いていること。 射精してくったりとなったペニスを自分の太股で挟み込んで擦っていること。 「出るよぉ、大石ぃ、すげーいい。お前の口の中、イイ」 大石は顔を赤らめて、必死で俺のペニスに吸い付いてくる。 こいつは口の中にも性感帯があるに違いない。 ペニスを引き出すたびに、俺が掴んでいる頭がペニスを離すまいと追いかけようとする。 「ふっ、ん、ん、うん、んんん、う」 舌も、唇も悦んでいる。 絡み付く。 「大石、飲むなよ、俺の・・・あ、出る、出るよ」 耳を離して、同時に後頭部に手をあてて、股間に大石を擦り付ける。 綺麗な鼻梁が、俺の陰毛に埋まる。 「んぐ…うんんんんん!」 喉の奥に急に侵入してきた異物を塞き止めようとした、その圧迫で、 俺は大石の口の中にぶちまけた。 「あ、大石っ、イイ、いいよぉ、おおいしぃ」 口の中で上下に痙攣して、大量の精液が流れ出た。 大石はそれを苦しそうに、しかし嬉しそうに口の中に溢れさせる。 出したあとも、完全に萎えきるまで、大石の口の中を犯した。 ゆっくりと、彼の好きな後戯を。 ぐちゅぐちゅという太い音が、次第にぷちゅぷちゅという柔らかい音に変わる。 大石の口の中は俺の精液と彼の涎で満たされている。 その粘りっけのある湿気の中で、俺のペニスはゆったりと萎んでいく。 「大石、まだ飲んでないでしょ?」 ペニスをゆっくりと引きぬきながら、大石の両頬を親指と中指で押さえる。 こくん、と肯く。 押さえられた頬の圧力で、口は半開きのまま保たれる。 その指にぐいぐいと力を入れると、唇から泡立った白い液体が漏れた。 俺の体液。 大石の唇をぬらして、両端から漏れる。 「んん・・・」 少し抵抗する素振りを見せる大石。 眉間に軽くしわを寄せて、手を振り解こうとする。 だけどそんなの嘘だね、大石。 本気で振り払う気なんかない。 だって。 首を傾けた衝撃で、口の端からどろっと流れ出す精液。 泡だって一層白くて、唾液が混じって。 大石の頬を緩やかにすべり落ちて、糸を引いて垂れる。 真っ赤な口の中にはまだ精液が小さな泉を作っている。 中で泳ぐ大石のピンク色の舌。 「飲んでいいよ、大石。でも口開けたままね」 んく、んく、と喉仏が律動して、大石は俺の精液を飲み込む。 喉の奥が開閉して、ちょっとずつ白い液体が喉の奥に吸い込まれていくのを、 俺は大石の口腔を覗き込みながらうっとりと眺めた。 「スキなんでしょ、大石。おいしい?」 大石は返事をしないけれど、全て飲み終わってから、先刻口の端からこぼれた精液を 指でぬぐって口に運ぶ。 唇についたのも全部舐めとる。 シーツに垂れた跡。 薄いブルーのシーツに少しだけ濃い丸いシミをつまむ。 「もったいなかったね、これ?大好きなのに」 ふっと目をそこに落とすと、大石はだるそうに身体を反転させて、そのシーツを咥える。 ちゅうちゅう音をさせて、それを口に咥えて吸う。 大石の唾液がシーツの精液と重なる。 そうだよ、俺はお前のバイブレーター。 お前はまだ欲しがっていて、俺はその為に、また勃起するんだ。 その口で。 少しだけ卑しく、少しだけ残酷に、少しだけ下品に。 |