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NOBODY, BUT YOU
いい子ね この子は本当にいい子 にこにこ笑って可愛くて 大人しくて わがままなんか一つも言わないの いい子ね お名前は? おおいししゅういちろうです 秀一郎くん いい子ね ほら、お菓子あげる ありがとう 可愛い子 色が白くておめめが真っ黒で ねぇ、将来は絶対にハンサムになるわ 綺麗な顔してるもの やだ、何言ってるの、あんた 絶対そうだってば あら、どうしたの、秀一郎くん チョコレートは嫌い? 食べないの? あ、ううん、だいすき じゃあ食べな? うん、ありがとう いただきます やだ、ぺっこり頭なんて下げちゃって 可愛い いい子ね 口の中でとろけるチョコレート べたべたして どろどろして 口の中にまとわりつく 重い 美味しかった? うん、とっても ありがとう、おねえさん うちの子は手がかからなくて 下から見上げる自慢げな母親の顔 やっぱりお兄ちゃんだからかしらね? あら、そんなことないのよ 下の子が出来る前からこんな風なの 妹の面倒もよく見るしね わたし、子育ての苦労を知らないのよ そう、いいわねぇ 秀一郎くんって本当によくできたお子さんね ねぇ 頭を撫でる手 重い そんなことないよ おかあさんがたいへんだから ちょっとてつだってるだけ まぁ 何て孝行息子なのかしら まだ小さいのにねぇ うちの子に爪の垢でも飲ませてやりたいわ 大石さんちの秀一郎くんは いつでもいい子 可愛い子 素直な子 お母さんには右手をあげるよ 左手はお父さんに 足は妹にあげる ボクは何も要らない 大石先輩、好きです ごめん 俺、今は誰とも付き合う気がないんだ やっぱり部活とか忙しいからですか そうだね ごめんね ううん、そんな 大石先輩のこと、ずっと応援してます これからもずっと ずっとずっと好きです ありがとう まっすぐに見つめる少女の目 重い 人の感情は俺には重い いざこざが嫌い 人の激しい感情は見たくない 人の重い感情は受け止めたくない だからいつでもいい子 トラブルは起こさない まずいことには足を踏み入れない 人と特別な関係を結ばない 愛想笑いとソツのない態度 いつでもいい子の大石秀一郎くん チョコレートは好きじゃない 家の手伝いも好きじゃない 頭を撫でられるのも好きじゃない 人に感情をぶつけられるのも好きじゃない 何も好きじゃない チョコレートも好きじゃないけど 飴も好きじゃない 家の手伝いも好きじゃないけど 友達と遊ぶのも好きじゃない 頭を撫でられるのは好きじゃないけど 頬を触られるのも好きじゃない この子は好きじゃないけど 他の子が好きなわけじゃない だからどうせ同じこと 何かを拒むほど、何かを望んでいるわけじゃない 何も好きじゃない だから何でも同じこと 「おおいし?」 「あ・・・」 「大丈夫?うなされてたから起こしちゃったけど」 「俺、寝ちゃってた?」 「うとうとしてたみたい」 俺の顔を覗き込む目。 「英二」 「ん?」 「どうしてそんなに優しいの」 ちょっと笑う。 「どうしたの、大石」 ヤな夢だったの、と笑って俺の髪を指でつまむ。 「答えろよ」 俺は傍らに横たわる英二の上に乗って、向かい合わせに身体を重ねる。 「大石みたいに優しくないよ、俺」 そう言って、頭上にある俺の顔を両手で挟み込む。 「俺は優しくなんてない」 英二の喉に口付ける。 「全然優しくなんてないよ」 「ど…したの、おーいし」 「こんなの優しいなんて言わない」 「お…いし…?」 俺は優しくなんてない ほら、君をこんな風になぶりものにする 鎖骨を嘗め回しながら、乳首を指の先でひねりつぶす。 「あ…」 ひくっと震えて、弓なりにのけぞる。 もう片方の手で英二のペニスをしごく。 「あん…大石、どうしたの…すごい…」 甘い声を出す英二。 頬をピンクに染めて、潤んだ目で俺を見つめる。 お願いだから、そんな目で俺を見ないで。 前戯もそこそこに、俺は英二の両足を高々と持ち上げてペニスをつきたてる。 英二の内壁は、急激な侵入にささやかな抵抗を見せる。 英二は俺の首に腕を回して、ふうっと大きく息をする。 抵抗する身体を、受け入れようとする心に従わせる。 ふっと内壁が緩んだ瞬間、いきりたった俺は英二の奥まで一気にずぶずぶと侵入する。 「ああ、おおいし…あ…すご…い…」 俺を深々と飲み込んで、英二は悦楽の声をあげる。 君はいつでも俺を受け入れる 君は何度でも俺を受け入れる 英二の中は暖かくて、俺をやんわりと包み込む。 根元まで突き入れて奥をかきまわすように腰をこすりつける。 ペニスの先が内壁をえぐるたび、英二は俺をきゅ、としめつける。 その収縮と同時に甘い声が濡れた唇から漏れる。 「ああっ…あん…」 濡れた唇から見えるつるつるしたピンクの舌が、口の中でひらひらうごめく。 ぐっと奥まで腰を沈めて英二の胸に身体を重ね、英二の濡れた唇に唇を合わせる。 「んん…ん…」 互いの唇を貪りあう。 俺は英二のアナルに侵入したまま、英二の口腔の中に舌を差し入れる。 口のなかをまさぐる。 唇を離したときには、俺は最早なけなしの節度を失っていた。 ひたすら奥を目指してペニスを突き入れる。 英二は一瞬「ひっ」と短く叫んで目を見開き、それから俺の顔を見て、ふと目を伏せた。 英二の身体のことなんて何も考えられなかった。 自分だけの頂点を目指して、俺はピストン運動を続けた。 「おおいし…おおいしっ」 狂おしいほど切ない英二のあえぎ声。 熱い息づかい。 俺の頭を両腕で抱え込んで自分の胸に押し当てる。 そしてあっけない一度目の射精。 俺は英二の中に精液を流し込んだ。 「あ…はぁ…おおいし…」 荒い息で俺を呼ぶ英二。 「大石、どうしたの」 英二の優しい手が俺の額の汗をぬぐう。 俺は目の前が暗くなった。 俺は無言で、射精を終えてもまだ英二の中に入ったままのペニスを動かす。 「おおいし?」 俺自身の放った精液でぬめった英二のアナルは、萎えたペニスも受け入れる。 ぬるぬると俺は注送を繰り返す。 英二の内壁にやんわり包み込まれた俺は再び勃起してくる。 「ああ…おおいし…」 英二の息が再びあがってくる。 俺は何も言わないでまた腰の動きを早める。 射精したばかりなのに、自分が高まっていくのを感じた。 自分の快楽に身を任せ、ひどく乱暴に奥へとつきあげる。 「大石、すごい。すごいよぉ…」 嬌声とはうらはらに、英二のペニスは小さく萎んでいた。 さっき出した俺の精液が、激しい動きにあわせて英二のアナルから音をたてて噴出す。 ぶじゅぶじゅと音をたててアナルから吹き出し、泡だって結合部分を濡らす。 「おーいし…あいしてる」 君はその一言で俺を赦す。 英二の身体は不自然で乱暴なセックスを繰り返し受け入れることを拒絶している。 痛みとして己に跳ね返ってくる拒絶をも英二は受け入れる。 「んんっ…ん…」 痛みの為に漏れる声を、必死で唇を噛み締めて封じ込む。 俺の背中にまわした腕が細かく震える。 俺の胸にあてられた拳を固く握り締める。 切なげにひそめられた眉。 それでも英二は決してやめてと言わない。 抵抗する身体を心で押さえつけて俺を受け入れる。 俺の半開きの唇は英二の名前を呼ばない。 英二の名前が出てこない。 名前を呼ぼうとしても、出てくるのは獣の威嚇するような唸り声だけ。 英二は俺に爪ひとつたてずに、必死で耐えていた。 ペニスが英二の中で跳ね上がった。 「んんんんっ…!」 英二はたまらず声をあげる。 二度目の射精。 「おおいし、おおいし…」 英二は虚ろな目に涙をいっぱいに溜めて、空を仰いで俺の名前を何度も呼ぶ。 それしか出来ないかのように。 そして俺の頭を胸に抱く。 英二の中に入ったままのペニスは、まだ萎えることを知らない。 結合したまま英二の身体を後ろ向きに反転させる。 俺はこれ以上、英二の目に見つめられることに耐えられなかった。 「あ…やだ。やだよ、大石」 英二はここでささやかに抵抗を見せる。 英二は後ろから犯されるのを嫌う。 俺の顔が見えないのが不安なのだという。 大石秀一郎とセックスしているという実感がないと恐ろしいのだと言う。 「やめて、大石。後ろからはヤだよ」 俺は英二の頭を後ろからつかんで、枕に押し付ける。 抵抗の言葉は枕に吸収される。 聞こえるのはウーウーという唸り声だけになる。 英二の頭を枕に押し付け、もう片方の腕で腰を持ち上げ、俺はまた腰を動かし始めた。 痛いくらいに勃起しているのが自分でわかった。 そして、またすぐに達してしまうだろうことも。 英二のアナルはぎちぎちと俺をしめつけるけれど、二度にわたる射精で ドロドロになった皮膚は、いやおうなく俺を中に導きいれる。 「んんん…!んん!」 英二はくぐもった泣き声をあげる。 指の関節が白くなるほど固く握った拳をベッドにたたきつける。 ぱつん、と音がした気がした。 実のところは音なんかたてていなかったのだけど、 何かが爆ぜる感覚を自分のペニスの裏側におぼえた。 その瞬間、英二は背中をぶるぶる、と震わせた。 アナルが裂けた。 結合したところからベッドにぼとぼと落ちる泡に朱が交じる。 英二の丸い尻に指を食い込ませ、自分の腰を打ちつける。 英二の恥骨を腰骨で殴打して、アナルをえぐる。 俺は英二の頭を抑えていた手を離し、英二の腰を両手でつかむ。 そして、英二の身体を前後に無理矢理揺さぶった。 英二の萎えたペニスは、アナルから流れ出た俺の精液と自分の血液で濡れている。 腰の動きにあわせて揺れる萎えたペニスが、ぺちぺちと英二の腹と太腿にあたる音がする。 英二はよだれと涙でべとべとになった枕から顔をあげた。 「おおいし、お願い、お願い」 首をがくがくさせながらのけぞり、懇願する。 「大石、お願い。顔見せて。おねがい。前からして。おねがい」 このひどい仕打ちをやめろとは言わない。 ただ顔を見せて欲しいと、それだけ希う。 「おねがい、おねがい、大石、おねがい」 声を震わせて叫ぶ。 英二の中に自分をとどめたまま、英二の身体を一度べちゃりとうつぶせに 寝かせてから身体を反転させる。 俺のペニスを軸に、英二の身体が回転する。 英二は腕をいっぱいに伸ばして俺を求める。 俺に触れることが出来るところまで反転したところで、しっかりと俺の肩をつかむ。 「大石、大石」 振り返った英二の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。 ほつれた髪の毛が涙とよだれで顔面にはりついている。 仰向けにして寝かせたところで、俺はその髪の毛をそっとほぐす。 英二は頬にかかる俺の手に、自分の手をそっと重ねる。 そして安心した顔で微笑む。 「ああ、大石。大石・・・大石、愛してる」 そうして君は俺を赦す。 英二が指を伸ばして、俺の頬に触れた。 「う…うあああっ…!!」 その瞬間、俺は背中にぞわぞわとした悪寒を感じ、肩が震えるのと同時に、 俺は雄たけびをあげて絶頂を迎えた。 ずるり、と英二からペニスを引き抜くと、大量の精液と血が交じり合って流れ出た。 自分のペニスの先からもぼたぼたと雫が落ちる。 そばにあるタオルで英二の顔を拭いてから、尻に当てた瞬間、 英二のぐったりした身体が跳ね上がる。 「ひ・・・っ」 それでも声を出さないように耐える君。 「痛かった…よな?」 今も、さっきも、ずっと。 あとの言葉は喉につっかかって出てこない。 「すこーし」 恥ずかしそうに笑う。 「ごめんね」 「何で英二が謝るの」 「だってさ」 頬を赤らめて俯く。 「キツかったでしょ、俺がうまく力抜けなかったからだよね。 ごめんね、今度はもっとちゃんとするから」 俺は言葉に詰まった。 何を言っていいのかわからなかった。 たださっきの英二の顔を思い出した。 苦悶の為にひそめられた眉根。 苦痛の声をあげまいと噛み締めた唇。 涙に濡れた瞳。 頭の中ががんがんした。 タオルを掴む手に力が入る。 ふわ、と手を伸ばして、俺の前髪をすくいあげて 可愛い唇で触れてくる。 ちゅ、と額に口付ける。 柔らかい唇。 余程強く噛んでいたのだろう、下唇の中央に内出血の跡。 「ごめんね、今度はもっとうまくするから」 どうかなじっておくれ ひどい男だと叫んでおくれ 俺の胸を拳で打っておくれ どうかそんな優しい顔で俺を赦さないでおくれ 「英二」 君を胸にかき抱く。 「大石?」 苦しいよ、と君は笑う。 「英二、愛してる」 俺は従順すぎて一人では生きていけない。 「英二、英二。お前がもし俺を必要として、俺を求める声が聞こえたら」 俺は胸に抱いた英二の髪を掻き毟る。 「俺はどこにだって行く。お前のためなら何でもする。 お前に何でもやる。俺の手も、足も、脳みそも、心臓も、何もかもくれてやる。 人に投げやってしまった俺の手も、足も、何もかも奪い返して、お前にやる。 だから英二、俺に力をくれ。俺に、俺を奪い返しに行く力をくれ。 愛してる、英二。愛してる。」 英二は俺の頬に口付ける。 ちゅん、と吸い込む音で、俺は自分が涙を流していたことに気付いた。 「闘うの、大石?」 「うん」 何故君は、俺の言葉がわかるの。 俺の唸り声がどうして君にはわかるの。 「じゃあ、俺はここで光を灯し続ける。 大石が帰り道を見失わないように。 ずっとここで待ってる。 大石をずっとずっと待ってる。 愛してる、大石」 君だけが俺の道標なのだと知る。 君だけが俺の全ての理由なのだと知る。
>>O-Kik top
>>submission top dedicated to Ms.TF, for you encouraged me to write up this story. Best wishes and many many thanks. |