|
RARE HARE
旅人はね、すごく疲れて傷ついてたの だからね、クマさんは力を生かして魚をとってきて旅人にあげたの キツネさんは知恵を生かして果物をとってきてあげたの でもね でもウサギさんは力も知恵もなかったの だけどウサギさんはとってもその旅人が好きだったんだと思う ウサギさんは火の中に飛び込んで、自分の身体を旅人にあげたんだよ 「ね、シよ」 「昨日も一昨日もしただろ。今日はもうダメ」 「やだよ、しようよ」 「だーめ」 「なんで」 「英二の身体がキツイだろ」 「大丈夫だよ。だってしたいもん。しようよ」 「だめ。今日はこうしていよう」 ぎゅっと抱きしめてくれる。 俺は大石の股の間に座って、大石の肩にしがみついている。 大石は頭を撫でて、優しく強く抱きしめてくれる。 「んー、やだやだ、こんなのやだよ」 俺はもがく。 「うん、でも今日はガマンしよう」 頭をぽんぽん、と優しくたたく。 それで俺は大人しくなってしまう。 「んー…」 でもまだ文句があるから、唸る。 大石の肩に上唇をくっつけて唸る。 「どうした」 「んー…」 あはは、と笑って、ぎゅっと抱きしめて、それから鼻の頭にキスしてくれる。 「大石は?」 「ん、何?」 「大石はシたくないの?」 「うーん…シたくないってわけでもないけど、昨日も一昨日もしたからなぁ」 「もう飽きた?」 こら、って俺の鼻を人差し指でこづく。 「そういうこと言わない」 「じゃあ何で」 「サルじゃないんだからガマンくらいできるよ」 「ガマンしないでいいったら」 「だーめ」 鼻の頭同士をくっつけて、すりすり、ってする。 俺たちのお気に入り。 だーいすき、の印。 「英二の身体が心配なの、俺は」 優しい声で言う。 「昨日もこんなこと言ってて、うっかりシちゃったから、今日はガマンする」 ウサギさんはね、何もあげられるものがなかったんだよ 「どーだっていいじゃん、そんなの」 「ん?」 ウサギさんはね、それでも旅人が大好きだったんだよ 「してよぉ、おーいしぃ…」 「何で泣くの。泣かなくていいったら」 おお。よしよし、って俺の背中をぽんぽん叩く。 だからね、ウサギさんは旅人に何かしてあげたかったの しゃくりあげて、ひいっ、と喉が鳴ってしまう。 どうしていつもこんな風にしか言えないんだろう。 どうしていつもこんな風に困らせてしまうんだろう。 ウサギさんには旅人にあげられるものが 自分の身体一つしかなかったんだよ 「大石・・・」 俺は大石の股間に手を伸ばす。 「ねぇ、おおいし、しようよ」 「だめだよ、英二」 ウサギさんには身体一つしかなかったんだよ 大石を押し倒して、ズボンの上からペニスに噛み付く。 「えいじ・・・」 俺を押しのけようとしながら、大石は、はぁと息をつく。 手でタマをこり、って言わせて、ペニスを甘噛みする。 これが好きなの、俺は知ってる。 大石が服の上から噛まれるのが好きなのを俺は知ってる。 「あ・・・英二、ダメだよ」 だけど大石はゆるゆると勃起してくる。 ほら、青少年、気持ちいいでしょ。 何度でもしたいでしょ。 毎日でもしたいでしょ。 だから俺をあげる。 俺の身体をあげる。 大石のジーンズの股間はしっとりと濡れてくる。 俺の唾液と、大石の出す熱で。 そうしてホラ、もうガチガチじゃん。 したいでしょ、大石。 だから俺をあげる。 俺は大石のペニスに歯をあてたまま、 かちゃかちゃと音をたてて、大石のベルトのバックルを外す。 「えいじ・・・」 もう抵抗できないよ、大石。 だってこんなにガチガチなんだから。 ジッパーをおろして、前を開ける。 大石、今日は紺色のパンツなの。 パンツの上からも甘噛みする。 はぷ、と噛むたびに大石の腰が浮く。 ほらね。 君のパンツにシミができる。 青少年、何度でもしたいでしょ。 毎日でもしたいでしょ。 だから俺をあげる。 ずるっと大石のズボンとパンツを一緒に脱がせる。 勃ちあがったペニスが一瞬パンツにひっかかって、 ぷる、と震えて露わになる。 大きいペニス。 出たところでズボンをとめておく。 こうすれば大石はもう逃げられない。 足が動かないんだから。 君はケガをした旅人。 俺はウサギさん。 俺をあげる。 くちゅくちゅと音をたてて大石を口の奥まで呑み込む。 「えいじ・・・あ・・・」 大石は腰を浮かせる。 ねぇ、もう気持ちよくてたまんないんでしょ。 入れたいでしょ。 アナルの中でぐちゃぐちゃにもまれたいでしょ。 ねぇ、青少年。 喉に当たる大石の大きいペニス。 全部は口に入りきらない。 喉の奥に当たるまで口に咥えて、舌も伸ばしてタマも舐めてあげる。 ほら、ほら、気持ちいいでしょ。 腰があがってるよ。 もっと奥まで入れたいんでしょ。 口ん中、しょっぱいよ。 先走ってるんでしょ。 いっぱいに呑み込んであげるからね。 大石のペニス、全部全部入れてあげるから。 俺の下の口で全部全部咥えてあげるから。 俺は大石を仰向けに寝かせたままで、身体にまたがる。 「えいじ、えいじ、ダメだ・・・」 大石の抵抗はとっても弱々しい。 口だけの抵抗。 両手で大石のシャツを上までたくしあげて、身体をさする。 大石のお腹、大石の胸、大石の脇腹。 ねぇ、俺これが大好きだよ。 がちがちのペニスをアナルの入り口にあてがって、腰を沈めていく。 「んん・・・」 キツイ。 でも苦しい顔をしちゃダメなんだ。 昨日も一昨日もした。 俺のアナルは腫れ上がってる。 キツイ。 だけど、そんなの見せちゃいけない。 大石の目から結合部分を隠すように、両手をつく。 そうして俺は腰を沈めて大石を呑み込んでいく。 ずちゅ、ぐちゅ、って音がする。 「えいじ、えいじ・・・」 半開きの唇が濡れてて、とっても綺麗。 大石はとても綺麗。 全部呑み込んだ。 全部入っちゃった。 俺は大石の頬に手をあてて上へと撫で上げる。 「おおいしのおっきいの・・・キモチイイ」 「えいじ・・・」 「動くよ、大石」 はぁ、はぁって大石の熱い息が手首にかかる。 すっごいキモチイイ。 アナルは痛いけど、この息が気持ちいい。 俺は手を元のところについて、腰をゆっくり動かす。 ひきつれる痛み。 「あああ・・・っ!」 気持ちいい声のふりをした悲鳴。 こういうの、とても上手になった俺。 そうして、俺はきゅっとアナルをしめて、腰を動かす。 ぐちぐち音が響く。 俺はこねまわすように腰を動かす。 「んんんっ、んっ・・・」 声が漏れる。 ウソつきの俺。 ウソでもいい。 俺をあげる。 「えいじ・・・ダメだ、もう出る・・・」 苦しい声。 大石、感じてる? 大石、気持ちいいの? 「おおいし、大石ぃ・・・」 これはホントの声。 愛しい人。 愛してる。 俺の気持ちだけはホント。 「大石・・・」 手をあげて大石の唇に触れる。 大石は少し顔をもたげて、それから。 それから 雷に打たれたように上半身をがばっと起こした。 「英二、血!!」 大石は不自由な下半身をくねらせて、もがいて俺の身体を離した。 おれたちの股間は血で染まっていた。 俺のアナルは入り口が切れたというよりは、 腫れ上がった為に皮膚が薄くなっていたらしく 中の方まで皮膚が破れてひどい出血だった。 大石はもどかしそうにズボンを脱ぎ捨てて、カバンに走りよって 救急箱を出すと、また走って戻ってきた。 俺はというと、こんなに出血したことよりも 大石が最後までイけなかったことにショックを受けて、床にへたりこんでいた。 「とにかく消毒するから、じっとしろ!」 コットンに消毒液をひたひたに含ませながら大石は叫んだ。 それから、俺の足を持ち上げて、そのコットンをそっとアナルに当てた。 「ひぁっ!!」 悲鳴が出た。 痛みが脳天まで稲妻のように走る。 「動くなよ、我慢しろ」 大石は俺の腰を押さえつけて、ぎゅっとコットンを押し付けて 消毒液を俺のアナルの中まで浸透させる。 「痛い、痛いよ、いたい痛い痛い!!」 俺はもがいた。 大石は少し手を止めて、俺の手を取ると、自分の腕を掴ませた。 「ぎゅっと握っていいから、とにかく終わるまで我慢しろ」 俺は悲鳴をあげながら、大石の腕にしがみついた。 不思議と、痛かったけれど耐えられた。 大石は黙々と俺のアナルを消毒して、それから薬を 塗りこんで、軽くぬぐって、やっと、ほ、と息をついた。 「とりあえず終わったぞ。しばらく様子を見て、 血が止まらないようなら医者に連れて行くからな」 そして、俺をお姫様抱っこすると、ベッドに運んで横向きに寝かせる。 ウェットティッシュで血の跡をぬぐい、スウェットを出してきて履かせてくれる。 「英二」 俺の頭の横に腰掛けて、髪を撫でながら話しかける。 「どうしてこんなことしたんだ。痛かっただろうに」 「だって・・・だって・・・」 俺は何を言っていいのかわからなかった。 何を言えばこの場をごまかせるかわからなかった。 大石は怒っているふうではなかったけれど、悲しい顔をしていた。 悲しい顔で俺の頬をさすった。 「こんなに痛いなんて知らなかった。 お前を痛がらせてるなんて知らなかった。 ごめん、英二」 どうして謝るの。 どうして君は優しいの。 「違うもん。大石が悪いんじゃないもん」 俺はうっかり口を開いた。 黙っていようと思ったのに。 ウサギさんの話なんかしようと思ってなかったのに。 ずっと騙していこうと思ってたのに。 ずっと何も知らない幸せな大石でいてほしかったのに。 なのに。 俺はわめき続けてしまった。 旅人のこと。ウサギさんのこと。それから。 「俺が大石にあげられるのはこの身体しかないんだもん! 俺はこの身体しか大石にあげられるもの、持ってないんだもん!」 言っちゃった。 言わないでいいことまで言っちゃった。 もう二度と大石は俺を抱いてはくれないだろう。 俺は自分が情けなくて悔しくて、丸まって泣いた。 大石に背を向けて丸まって震えた。 「ねぇ、英二」 大石が静かに俺の髪を撫でて口を開く。 「う…」 俺は恥ずかしくて情けなくて、振り向けずに背を向けたまま返事をした。 「その後さ、旅人はどうしたと思う?」 「あと・・・?」 「ウサギさんがこんがり焼けててさ、それで旅人はどうしたのかな」 「食べた・・・」 「俺が旅人なら、きっと違うと思うな」 優しく優しく髪を撫でる手。 「俺だったらね、きっと泣くと思うよ」 大石は静かに話をする。 きっと旅人もウサギさんが大好きだったと思うよ だってそんな風に大事に思ってくれて そんな風に何かしてあげたいって思ってくれて ねぇ、そんなウサギさんが傍にいてくれて、きっと旅人はとても嬉しかったと思うよ とっても心強かったと思うんだ だから、きっと旅人はウサギさんと一緒にいたかったよ 元気になって一緒に旅をしようって、頑張れたと思うよ それが、自分の為に身を焼いちゃって 目の前からいなくなっちゃって とても悲しかったと思う ホカホカのウサギさんの肉を目の前にしても 悲しいだけだったよ 食べられなかったんじゃないかな ウサギさんの思いはありがたかったけど 悲しくて、申し訳なくて、寂しくて、 ふわふわのウサギさんの毛を撫でていた日が懐かしくて、恋しくて 一緒に旅をしたかったと泣くんじゃないかな ねぇ、大石。 どうして君はそんなに優しいの。 「ふわふわウサギさん、こっち向いて」 ふわふわ髪の毛をくすぐる優しい手。 ひいっ、ひいっ、って俺はしゃくりあげる。 ただ涙が出た。 肩がぶるぶる震えた。 ウサギさんはね、旅人にあげられるものは 自分の身体一つしかなかったんだよ だけど、旅人はウサギさんに言ったんだ 「僕の傍にいておくれ 一緒に旅をしておくれ 君のふわふわの尻尾が、ぴこぴこ動くのを見ていたら きっと僕はシアワセになれるから 君のくるくるのおめめが僕を見上げたら きっと僕は力強く歩き出せるから」 「うううう…」 「ほら、おいで」 肩を優しく、だけど力強く掴んで、俺の身体を自分の方に向かせる。 「うわぁぁぁああ!」 俺は大石の胸にしがみついて泣いた。 子供みたいに泣いた。 「英二」 泣きじゃくる俺の髪をふわふわ撫でて大石は言ってきかせるように話す。 「英二、お前が大好きだよ。 セックスだってしたいけど、それだけじゃない。 英二が俺を見上げて笑ったり 英二が『おーいし、ホラあれ見て』って指し示したものを一緒に見たり 英二が駆け出して、先で笑って俺を待ってたり 英二が俺にくっついて甘えた声を出したり 英二が俺に自分の飲んでたペットボトルを差し出してくれたり 英二がイジワルを言ってくすくす笑ったり ねぇ、英二、俺はそういうのが全部大好きだよ。 お前は一緒にいるだけで、そこにいてくれるだけで 俺に力をくれるんだよ。 俺に生きる力をくれるんだよ。 だから英二、俺はお前が大好きなんだよ」 旅人はウサギさんに言ったんだよ。 「ふわふわウサギさん、僕は君が大好きだよ。 君がここにいることにアリガトウ。 君に出会えたことにアリガトウ。 ありがとう、ありがとう。 僕は君がいるから強くなれるよ。 君がいるから生きていけるよ。 僕は君が大好きなんだよ」 |