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CAIN
俺はずっとあの先輩を犯したかった 平気な顔で俺の前でセックスの話をする 男に抱かれた話をする 男のペニスを咥え込んだ話をする 俺は男に抱かれて悦んでいると 恥ずかしげもなく口にする 男のペニスを美味そうにしゃぶったその唇で 俺にセックスの話をする だから、俺だってヤってもいいだろうと思う どうせ悦ぶんだろう? 「英二、待ってたのか」 部室のドアが開いて、つややかな額の男が中に入ってくる。 その後ろには、我らが部長さまの顔も見える。 そして、その綺麗な額の男は俺にも笑う。 「桃、英二につきあわされてたのか、ごめんな」 綺麗な顔の男。 恐らくは一度もニキビに悩んだことのない、綺麗な肌の男。 性の匂いをさせない男。 目の前で今まで繰り広げられていたセックスの話の当事者。 さっきまでセックスの話をずっとしていた赤毛の先輩は、最早俺に興味を 失ったように立ち上がり、その黒い髪の先輩の方へと走っていってしまう。 勃起したペニスを学ランの裾に隠した俺を残して。 「お疲れ様、大石。あ、手塚もね」 部長は、英二先輩に応えて手を上げ、そして自分はジャージから学ランに 着替え始める。 放課後の練習が終わってから、部長と副部長は職員室で先生と打ち合わせを してから部室に戻る。 だからこの二人が戻ってくる頃には、部員はたいてい着替え終わって帰ってしまう。 英二先輩は待つ。 大石先輩は待たないでいいと言うけれど、英二先輩は待つ。 だって誰も部室にいなくなったら、二人の荷物が危ないじゃん、と言う。 俺は時々そのおつきあいをする。 家に帰ってもつまらないし、さりとてこれから遊びに行くほどの時間もないからだ。 そうして英二先輩と話しているときに、ある日きいたのだ。 「英二先輩、大石先輩とキスとかするんですか」 単なる好奇心だったのだ。 俺は健全な中学二年生で、性に興味があって。 ただの好奇心だったのだ。 英二先輩は笑った。 「するよ、沢山。他にももっといろんなことするけど」 繰り返し言うが、本当に好奇心だったのだ。 「他に、って何ですか」 「んー、セックス」 俺たちの歳で、セックスをしたことのある奴は多くない。 クラスの中でも、経験者は本当にごく少数だ。 いや、もしかするといないかも知れない。 まがりなりにも青学は、おぼっちゃんやお嬢さんの通う私学で、セックスは 簡単に手に届かないところにあって、俺たちは精一杯背伸びをしてもエロ本で オナニーするのが関の山だった。 それすらも、数少ないエロ本をこっそりと貸し借りしているような有様だった。 だから、俺はあまりにも露骨なその言葉にうろたえた。 「セ・・・」 「してるよ、俺たち。大石は言うなって言うけど」 今まで英二先輩と大石先輩が、あまりにもあっけらかんと、いわゆる「つきあっている」と 公言していたとしても、現実感はあまりなく、親友の延長線上のように受け止めていた俺に とって、これは非常な衝撃だった。 男同士でセックスをする。 この事実は俺に吐き気を催さるに十分だった。 俺は正直に、気持ちが悪いと感じたのだ。 少なくともその時は。 「ありゃ、ショックだった?ごめーん」 うつむいてしまった俺に、英二先輩は明るく声をかけた。 だけれど、俺の性的な好奇心は、その嫌悪感を上回った。 「ど、どうやって・・・するんすか」 だから訊いたのだ。 胃の内容物がぐるぐるするのをこらえて。 英二先輩は少しソフトに語ってくれたのだと思う。 俺はその時に初めて知ったのだ。 アナルセックスというものを。 「痛く・・・ないんすか?」 「最初は」 そして、英二先輩は今まで俺が見たことがない笑顔を見せた。 艶然として、そして勝ち誇ったような笑顔。 その艶かしさは俺の股間を直撃した。 「今はイくよ、大石ので」 その日、俺は帰ってから何度もオナニーをした。 ネタは英二先輩の笑顔。 あの淫らな笑顔を思いだしては勃起を繰り返し、陰茎をこすった。 それから俺は、練習中でも、部室でも、二人が身体を触れさせるのを目で追うようになった。 「大石、見た見た、今の?」 「見てたよ。すごいかったな、英二」 派手なダイビングボレーを決めて、紅潮した頬で大石先輩に抱きつく英二先輩。 その腰を抱える大石先輩。 「あーあ、まったく無邪気だよね」 にこにこしながらそれを見て笑う不二先輩の横で、俺は緩やかに勃起した。 違うのだ、あれは無邪気なのではない。 ああして、大石先輩は英二先輩の腰を抱えてセックスをしているのだ。 ああして、英二先輩は大石先輩の首に腕をまわすのだ。 そうして荒い息の下で交じり合うのだ。 俺の英二先輩を見る目は変わった。 どんな些細な動きもセックスに結びつけて見えるようになった。 この男は男を咥え込む。 俺は英二先輩を性的な目で見るようになったのだ。 恋愛感情など一つもそこにはない。 ただ、セックスの代名詞のように、彼はそこに存在していた。 大石先輩に対する視線はそんなに変わったわけでもない。 経験を済ませた同性というだけの話だ。 彼の優しさも、童貞でない男の余裕のように感じられた。 それだけの話だ。 「大石の身体はね、」 今日もそうして淫らな話を始めるのだ。 もしかして自分を誘っているのではないかと思ったこともあったが、そうではない。 菊丸先輩はひたすらに話したいだけなのだ。 クラスの女子が今日は何とか先輩と目があった、だとか、誰それくんが今日はワイシャツの 下にカラーシャツを着ていたとか、そういう下らない話で3時間でも4時間でも、いや、 一日中でも喋っていられるのと同じだ。 彼はただ話したいだけで、その相手が今のところ俺しかいないということだ。 「大石のちんちんはね」 「大石がイく時はさ」 俺は最早疲れ果てていた。 この会話にではない。 会話を遂げたあとでのオナニーに、ということだ。 一生分のオナニーをしつくしたように思う。 肉体はすっかり搾り取られて、すっからかんになってしまったように疲れ果てながらも、 精神を蝕む性欲は一向に衰えることがなかった。 いや、むしろそれは勢いを増していると言ってもよかっただろう。 俺の毎日はただ「ヤりたい」という思いだけの為に存在しているようだった。 そんな日々に嫌気がさしていた。 俺がここから抜け出す為に考えられる解決策は、練習後に部室に残るのをやめるか、 もしくは、そうだ、英二先輩を犯すより他にないように思えた。 「大石、ミーティングから戻ってくるまで部室で待っててもいい?」 いつもの問いかけに対するいつもの回答を予期していた部室内は、一瞬戸惑った。 「ダメだ、帰れ」 その声色の厳しかったこと。 英二先輩は二の句が告げなかった。 ただ泣きそうな顔をして下唇を噛んだ。 大石先輩はそんな英二先輩を一瞬だけ、ほんの一瞬、悲しそうな顔で眺めて、 それから部室を出て行く部長の後を追う。 そして、彼らしく釘を刺す。 出口で振り返った彼の顔からは先ほどの悲しそうな表情はかき消えていた。 「いいな、待っていないで帰るんだ」 部長と副部長の二人が去ったあと、部室は先ほどまでの喧騒をすっかり失った。 皆、そこに居心地の悪い雰囲気を感じ取り、早々に着替えて、 こそこそと話しながら帰っていく。 着替え終わった不二先輩が英二先輩に話しかけている。 「ねえ、ああ言われたんだから帰ろう」 「いやだ」 「英二」 「いやだ。待ってる」 ふう、と不二先輩はため息をついた。 気の強い赤毛の先輩が言い出したら決してきかないのを、この人はよく知っている。 「待っててどうするの。帰ってきたら怒られるだけだよ」 「それでもいいもん」 「ムキになってるの」 「違うもん」 目に涙がいっぱいに溜まっている。 俺はそれを見ても、何とも思わなかった。 心を痛めることもなかった。 俺は実に心底、この人に恋をしていないのだと思う。 結局、不二先輩に引きずられるようにして英二先輩は帰っていった。 俺は、漫然と部室のベンチに腰掛けていた。 そうしている内に一人、また一人と部員は去り、俺は部室に一人になる。 俺は謎の憤怒と安堵感に包まれていた。 セックスの話を聞けないことに無性に腹を立てながらも、これで今日は勃起に苦しみながら オナニーをしなくて済む、という気持ちもあった。 俺はこの2つの相反する感情を抑えることが出来なかったし、抑える努力もしなかった。 そしてそこから立ち去ろうともせず、ただ座り込んでいた。 何を待っていたわけでもない。 理屈から言って、こうしていればミーティングから帰ってきた部長と副部長に 出くわすのは当たり前のことだった。 なのに、俺はすっかりそれを失念していたのだ。 ただその相反する2つの情念に身を任せていた。 そうして、ドアは開かれた。 「桃城、残っていたのか」 部長は部室に入ってくると少し驚いたような声を出した。 いつものことだが、顔はあまり驚いていない。 「あ・・・はい・・・でももう帰ります」 こういう時に声をかけてくれそうな大石先輩は、俺を横目でちらっと見るだけで、 何も言わない。 その視線があまりに冷たかったので、俺はぞっとした。 この人は何か気づいているのではないか。 いや、しかし俺は何も行動しているわけではないのだ。 俺は英二先輩に手出しをしたわけではない。 ただ彼のいやらしい姿を想像してオナニーしているだけだ。 ただ彼に欲情しているだけだ。 俺は何も罪を犯しているわけではない。 なのに、俺は怯えた。 全身の血が引いていくのがわかる。 顔面が痺れる。 冷や汗が腋を流れる。 瞬きが出来ない。 誰か、俺の瞼を閉じてくれ。 指でそうしようにも、俺の四肢はぴくりとも動かない。 大石先輩は几帳面な手つきで備品を片付け始め、部長はさっさと着替えを終えた。 「大石、明日1年にでも片付けさせたらどうだ」 「ああ、もう終わるよ」 大石先輩は綺麗に折りたたんだネットをぽん、と叩いて呟く。 「もうこのネットもダメかな」 着替え終わった手塚部長は手持ち無沙汰な様子で大石先輩を見て、そして俺を見た。 俺が大石先輩に何か話でもあって残っていたのだと曲解でもしたのだろうか、部長は 大石先輩の背中に声をかける。 「先に帰らせてもらうぞ」 「ああ、お疲れ様」 そして、部室には俺と大石先輩だけになってしまった。 「桃」 振り返って大石先輩はこちらをまともに見た。 俺はいよいよ硬直し、彼の唇を凝視した。 こんな風に英二先輩の唇を凝視したことが何度もある。 セックスの話を聞くときだ。 彼の真っ赤な唇が開かれ、つるつるした舌がそれを舐めるのを何度も見た。 その度ごとに、俺は彼にフェラチオをされることを夢想したのだ。 あの唇をペニスで割り、差し込み、あの舌に擦り付けることを。 ぷっくりした英二先輩のそれとは違い、大石先輩の唇は薄いピンク色をして、 唇の盛り上がりも少ない。 しかし、鼻の下から唇への境目は一段高く、少し上を向いている。 この人がこんな唇をしているとは知らなかった。 「帰らないのか」 最早大石先輩の言葉は俺の耳を軽やかに撫でるだけだった。 俺が耳にしているのは、彼の言葉ではなく、空気を震わす彼の吐息。 甘い響きと、その白い歯を撫でて漏れ出る息遣い。 そして、彼は俺に横顔を見せながらロッカーから制服を出し、着替えを始める。 ジャージの上着を脱ぐと、しなやかな首筋があらわになった。 シャツを脱ぐと、白い肌と、そこにピンク色の乳首が小さく震えて見えた。 この人の身体はセックスを知っている身体だ。 俺とは違う。 俺は男同士のセックスをネタにオナニーを繰り返すだけの童貞。 この人はセックスを受け入れる身体だ。 俺は知っている。 見たこともないこの人のペニスがどんな形をしているか。 触ったこともないこの人の身体がどこで最も快楽をおぼえるか。 味わったこともないこの人の精液がどんな味なのか。 俺は知っているのだ。 俺は知ることによってこの人と通じている。 ああ。 いつの間にこんな体勢になったのか。 大石先輩は上半身裸のまま、俺と床との間に横たわっていた。 彼の脱ぎ捨てたジャージが彼の両腕を頭上に蹂躙していた。 「桃!」 彼は叫んでいる。 これは俺がやったことなのか。 俺は自分に組み伏せられて身を捩る副部長を眼下に見下ろし、考えた。 しかし他には誰もいない。 帰納法的に俺がやったことだと考えるのが自然だ。 それにしても俺は何と手際がいいのだろうか。 この人の白い肌には傷一つついていないではないか。 「桃!離せ!」 叫べばいい。 誰も来ないさ。 俺はそうして案外冷静だった。 部室にかかっている壁時計を見て、どの部活の人間にしろ、もうこの時間には校内に 殆ど人が残っていないことを確認して、彼の口を塞ぐ必要はないと判断する。 俺は生まれて初めて、肉欲をもって他人の肌に触れた。 滑らかな白い肌をしている。 英二先輩よりもこの人は白い。 そして滑らかだ。 俺は夢中でむき出しになった彼の上半身を撫で回した。 手のひらで感じる彼の肋骨の凹凸、時折抵抗を見せる小さな乳首、そうした感覚が手から 俺のペニスに鋭い刺激となって伝わるのを、冷酷なまでに楽しんでいた。 俺に触られたのが余程気味が悪かったのか、彼はぶるっと身を震わせた。 「やめろ、桃!!」 自分の白い肌が、そうして身を捩ることでどう見えるのを知っているのか。 つややかで、まろやかな肉体。 何度も聞かされることによって反復され、無意識の裏側に刻印されたその肉体。 今、現実に目の前で不思議な蠕動を繰り返す。 それまでに英二先輩の話でスルーしていたはずの大石先輩の肉体の事細かな描写が 頭の中で何度も何度も繰り返される。 『大石は、脇腹を触られると弱いんだよ』 『大石の乳首は感じやすいから、セックスしたい時にはそこを触るんだ』 『大石の二の腕の内側は真っ白で、脇からずっとキスして唇を滑らせるんだ』 分かってる。 俺には分かっている。 この人の肉体と俺とは、予め出会っていたのだ。 この人の肉体が俺を知るよりも先に、俺はこの人の肉体を知りつくしていた。 「桃!なんで・・・!」 悲鳴に近い声をあげながらも、大石先輩の股間はジャージ越しに盛り上がりを見せ始めた。 そうだ、俺は貴方をよく知っている。 『大石は、勃起しているペニスを痛めつけるみたいに下着を引きずり下ろすのが好きなんだ』 『拘束された後に、勢いをつけて解放される瞬間がよくて興奮するんだって』 『そうなると大石はおさまりがつかなくなる。そういう時のセックスはすごくいいよ』 勃起しかかった彼のペニスはジャージのゴムにひっかかり、一度撓んだ後に、 勢いよく飛び出る。 みるみる内にそれは硬度を増す。 『先の割れ目に舌の先を差し込むと、少し痛くてそれがイイんだって』 『仰向けに寝かせて、アナルから玉に向かって舐め上げると先走るんだよ』 『ぷっくりペニスの先に綺麗な水泡が出来るんだ』 筋ばっているようで、彼の内腿はすべすべしていた。 そこに強引に割って身体をもぐりこませる。 勃起した男の下半身の力は案外弱いものだ。 内股に透けて見える血管が艶かしい。 彼はもう叫ばない。 俺が彼の身体で知らないことはただ一つを除いてなかった。 いまや彼は俺の愛撫を受けて、俺になされるがままだ。 『大石の陰毛は思ったよりも薄くて、もしかすると俺より薄いかも知れないな』 『玉に生えてる陰毛をちょっとひっぱるのが好きみたい』 『そうやって引っ張りながら持ち上げて、裏を舐めるんだよ』 はあ、と荒い息が彼の唇から漏れる。 指の腹をアナルに押し当てると、ひくひくと波打つ腹筋と同じリズムを刻んでいた。 彼は快感の波に身悶えしているのだ。 『シックスナインもやるよ』 『大石のフェラチオはすごく上手だけどね、なかなかイかせてくれないんだ』 『喉の奥までペニスを呑みこんで、喉で締め付けてくれるよ』 「んんん・・んふ・・・」 オナニーの時にハンドクリームをつけて暖かさと滑らかさを求めることはあったが、 フェラチオはそんなのとはわけが違った。 大石先輩の口は俺のペニスをすんなり受け入れ、喉の奥まで深々と呑み込んだ。 そして彼のペニスはいよいよ硬くなり、より俺の口の奥まで差し込もうと腰がせりあがる。 彼の限界が近いことを、口の中のペニスの硬さと、目の前にある睾丸のすぼまりで知る。 そうだ、俺は知っているのだ。 彼の身体の全てを知っている。 たった一つの場所を除いて。 それは彼のアナルの内壁だ。 口から彼のペニスを吐き出す。 正直、口の周りの筋肉はもう限界だったし、彼の精液を口腔に受けるのは耐え難いと 思ったからだ。 『精液って臭いし、不味いんだよ』 『愛がなければあんなもん飲めないね。匂いをかぐのだってごめんだよ』 『俺は大石のを飲むし、大石も俺のは飲むけどさ』 同時に、惜しいとは思いながらも彼の口からも自分のペニスを引き出す。 急に引き抜いたので、ぶじゅ、という音がして、彼の唇と俺のペニスは透明な糸で つながったままになる。 恥ずかしいと感じようとも、それをぬぐうだけの手の自由は、彼にはない。 体勢を逆転させ、再び大石先輩の股の間に分け入る。 そして彼の腰を抱え込み、アナルを露出させて、アナルを見つめる。 ここだけは分からない。 けれど、どうやってするのかは知っている。 大石先輩はここに至って初めて、大きな黒い目を見開いて俺をまともに見た。 まさか自分が挿入されるとは思っていなかったのか。 馬鹿な。 誰が好きこのんで男のペニスを受け入れたいと思うだろう。 男が誰かを犯すときには、このいきりたつペニスをどこかの穴に入れたいと 願っている時だけだ。 少なくとも俺はそうだ。 今まで英二先輩相手に欲情してきたのだ。 相手が変わったからと言って、どうしてその欲望の方向をスイッチ出来よう。 大石先輩が身を捩った瞬間、俺は先手を打つ必要性を感じた。 集中しなければならない。 何しろ彼のアナルは俺にとって未知の領域だったからだ。 手近に脱ぎ捨てられていた自分の下着を手にして、彼の口に押し込んだ。 「む・・・!む、む!!」 彼がそれを口から吐き出そうとするのを片手で押し戻しながら、俺はさらに床をまさぐり、 そこにあった彼のシャツを更に彼の口の中に押し込む。 そして俺は挿入を開始した。 俺のペニスが大石先輩の肉穴にゆっくりと食い込んでいく。 彼はもう呻かない。 ただ眉根に深く苦悩の印を刻むだけだ。 めりめりと彼のアナルが裂け、その裂け目に俺のペニスが分け入る。 人の内壁を初めてペニスで感じた。 彼も人のペニスを内壁に感じたのは初めてだろう。 痛みに耐えながら、彼は何を思うのか。 この状況にありながら、英二先輩に思いを馳せるものだろうか。 深々と彼の中に入ったペニスを、今度はゆっくりと引き抜く。 始め緩やかだった抽送は、脳髄を痺れさせる快楽に比例するように次第にスピードを増していく。 時折大石先輩の脇腹や乳首に手を伸ばしながら、俺は夢中で腰を振った。 俺は声をあげることも厭わなかった。 それほどに彼の身体は素晴らしかった。 「うっ、う、あ、いい、ああ、いい、きもちいい、いい」 大石先輩は、大きく膨らんだ俺のペニスに繰り返し痛めつけられ、遂に我慢の限界が訪れたようだ。 シャツを押し込まれた口から、くぐもった唸り声が漏れ始めた。 「むぅ、む、む!んんんん!!」 彼の臀部に腰を叩きつけ、ピストン運動を繰り返し、俺は絶叫に近い雄たけびをあげた。 射精の瞬間がやってきたのだ。 「おおおおおお!!」 一層深々とペニスを中に押し込み、それと同時に大石先輩のアナルは、ぎゅっと緊張した。 跳ね上がりながら精液を彼の体内に注ぎ込む俺のペニスは、自分でも驚くほど大量に 精を吐き出し、びゅっ、びゅっと液体がその先から噴出するたびに、大石先輩は唸った。 萎えていくペニスで、名残惜しく彼の暖かいアナルをまさぐり続けている内に、 萎みきったそれは自然と外に押し出されて彼のアナルから抜けた。 俺自身の出した精液がぬめりとなり、にゅるっと。 さながら排便のようにアナルからひり出された感覚に、俺は不快感を覚える。 その瞬間、大石先輩の瞳から、初めて一筋の涙が流れ落ちた。 俺は身を屈めて、それを舌で舐め取る。 そして彼の耳元で囁いた。 「 違う。貴方じゃない 」 |