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その日も俺たちは、大石の部屋でセックスをしていた。
前から大石に貫かれていた俺は、うめきながら、大石の顔を見ていた。
大石は目を伏せて、口を一文字に固く結んで、眉をひそめて真剣な顔をしていた。
その顔が、苦行している修行僧のようで、大変美しかったのだ。
俺は彼のその頬に手を伸ばした。

途端、彼はびくっと痙攣して、俺から急に離れた。
熱いものに触れたかのように。
目を見開いて俺を見る。


「ご、ごめん、びっくりして…」

「どうしてびっくりすんのさ」



俺といるのにさ。
どうしてそんなに驚いたり、ビクビクしたりすんのさ。
ひどいよ。


俺と一緒にいんの、ヤなの?
おーいし、そんなに辛いの?
イヤならそう言ってよ。


俺はそう叫びながら泣いてた。
涙で顔はぐちゃぐちゃだっただろうし、声も震えて最後のほうなんて何を言ってるのか
わからないくらいだったと思う。


ただ悲しかった。

大石がイヤに緊張してるのも。
こうして泣き叫んでも大石が目を伏せて俺を見てくれないのも。


彼はただ目を伏せて、ごめん、と一言呟いた。