anchor/Oishi's memodandum


ああ、だけど君のところに帰ってこさせておくれ


不幸だと言ってくれればいいのにと思う
幸福だと言って欲しいと願う
矛盾ばかりしている


子供のように泣けたらいいのに
俺はオトナの涙を知りました
オトナの泣き方を知りました
心の痛みを知りました


君のゆく先々に光があるように
君の歩く道を光が照らすように
光がいつも君と共にあるように


君が振り向く
君のスネたような唇が
花のように蕾んだ唇が
ぱあっと
俺を見て開く
俺はそれだけのことで
それしきのことで
幸福になれるんです
不幸になれるんです
死にたくなるんです


君に腕枕をして
君の髪に指を絡ませて
君の声を聞く
「おーいし、俺、すっげー幸せ
大石の腕の中で、大石に愛されて、大石三昧
俺、世界一幸せ」
俺は世界一の幸せ者
君は世界一の愚か者
俺を愛してるなんて
こんな俺を愛してるなんて


悲しい話を読んでも泣きません
悲しい映画を見ても泣きません
でも、君の胸に抱かれて
君の腕にくるまれると
俺は泣きます
君の優しい腕と、優しい胸と、シーツの間で
俺は泣きます
いやおうなく
俺は泣きます


ああ、だけど向日葵のような君よ
日の光と共にあれ
月の光は君には何にもならない


君は僕の陽だまり
君は僕の雨
だけど乾くんだ
十分すぎるのに
勿体ないほど感じるのに
それでも乾くんだ


身体のどこに
僕の乾いた身体のどこに
そんな水が溢れていたのか


自分を大切にしておくれ
だけど君を全部俺におくれ


君は優しい
君の優しさは俺をダメにする
君の愛は僕には重い


君を抱く
君はいつから
こんなイイ声で鳴くようになったの
こんなイイ顔をするようになったの
君は一体いつから
俺を愛してしまったの


声をあげて泣くほどの度胸もないので
口から漏れ出る嗚咽
糸のようにからみつく
食いしばった歯の間から
もれ出る嗚咽
とどめなくもれ出る


ああ、だけど、君のもとに
いつでも君のもとに
帰ってこさせておくれ


二度と愛しているとは言わないと
心に誓うのだけれど
君の笑顔が
俺の脆弱さが
君を愛していると言わせる


誰よりも幸せになってほしいと
そう願うのに
君は優しい表情で
俺といるのが幸せだと
こんな俺といるのが幸せだと
恍惚の表情で


必死でこの淵につかまる
君を見ていられるように
君を守れるように


君みたいに
可愛くて
優しくて
純真で
まっすぐで
透明なヒト
愛してる
俺は君を愛してる
狂おしいくらいに愛してる


掌中の珠を
壊してしまわないように
汚してしまわないように
君が俺で穢れないように


君の胸に額を押し付けて
喉からせりあがる
アイシテル